レビチビタ記号に関する性質の証明
この記事では、三階のレビチビタ記号(エディントンのイプシロンとも呼ばれる)のいくつかの性質について証明をする。 定義は以下のウィキペディアの記事などを参考にしてほしい。証明する性質はともにウィキペディアの記事に載っており そのどちらも記事に証明がないためここに書くことにした。
今回証明する性質は以下の二つ。(なお記事内のは1,2,3のいずれかとする。)
性質1
性質2
性質1の証明
のうちどれか二つ以上が等しいとき
左辺は0。また右辺も例えばのとき第一行と第二行が同じになるため 行列式の性質から0。
のうちどの二つも等しくないとき
つまり、がの置換になっているときである。まず偶置換の場合を考える。 このとき
また右辺について、が偶置換より偶数回の行の入れ替えを行うことにより、
つぎに奇置換の場合を考える。このとき
また右辺について、が奇置換より奇数回の行の入れ替えを行うことにより、
よってこの場合、
を示せばよい。
がの置換にならないときは先ほどと同様に両辺0になる。
またの置換になるときは、先ほどと同様にして列を入れ替えれば右辺は単位行列の行列式または
その符号違いになり両辺が等しくなる。
性質2の証明
のとき
左辺は0。右辺も第一行と第二行が等しくなり0。
のとき
左辺についてがの置換になるのみ生き残る。ここでこの残った項について 性質1を適用すると
またももと異なるので、余因子展開を用いると