理系大学生のブログ

学んだことを書いていく

多変数合成関数の微分(連鎖律)の正しい理解

ある2変数関数の変数として、別の関数の値をとった 合成関数の微分を展開した式は、よく以下のように略記される。 しかしあくまでこれは略記法であって、記号法として正確さを欠いた部分がいくつかある。 1つ目に、合成関数の微分を合成する前の関数の微分と…

対数の計算をする際の注意(積の対数を対数の和に分解する公式の前提条件)

次の式変形は正しいだろうか? 答えを言うと正しくない。 反例はのとき、左辺はであるが、右辺は対数の中身が負の数になり定義できなくなる。 正しくない理由 この式変形は、 という対数に関する公式を利用したものだと思われるが、公式を適用できる条件を忘…

VSCodeのMarkdown+Mathでブラケット記法を使う方法

VSCodeの拡張機能であるMarkdown+Mathを使って、Markdown文書を作成していたところ、 量子力学におけるブラケット記法がなぜか使えなかった。 \bra{\phi} のように記述しても、プレビューでうまく表示されない。Markdown+Mathが使っているKaTeXは ブラケット…

Markdown All in Oneでの数式の書き方、数式の等号のそろえ方

Markdown All in OneはVisual Studio Code(VSCode)の拡張機能の一つであり、 VSCodeでMarkdownの文書を書く際に便利なショートカットを提供したり、 プレビューを表示してくれたりする。この拡張機能を使う際の数式の書き方、 また数式の等号のそろえ方(…

像、逆像と包含関係

この記事では、集合の包含関係が像、逆像それぞれをとる操作のもとで 保存されることを示す。具体的には下記の二つの命題を示す。また、 それぞれの逆は成り立たないことを反例を挙げて示す。なお、 前提条件として、写像はで、集合は、集合はであるとする。…

レビチビタ記号に関する性質の証明

この記事では、三階のレビチビタ記号(エディントンのイプシロンとも呼ばれる)のいくつかの性質について証明をする。 定義は以下のウィキペディアの記事などを参考にしてほしい。証明する性質はともにウィキペディアの記事に載っており そのどちらも記事に…

Overleafでマルチカーソルが使える

Overleafはオンライン上でLaTeXコードが書け、コンパイルもできるサービスで、 LaTeXで文章を作成する際に非常に便利である。 先日Overleafを使っている際に、マルチカーソルが使えることを発見した。 マルチカーソルの出し方 マルチカーソルを追加したいと…

平均誤差半径(CEP)と目標に当たる確率

平均誤差半径、または半数必中界(CEP)とは、ミサイルや爆弾の命中精度の指標であり、着弾点の分布が 円形正規分布に従うとしたとき、平均弾着点を中心とし、その円内に着弾する確率が50%になる円の半径のことである。 目標の半径がわかっているとき、平均…

剛体の回転運動方程式への道①:速度の外積表示

剛体の回転運動方程式への道という続き物の記事を書くことにした。 これらの記事では、剛体の回転運動方程式を導出し、またそれがどのような条件下で成り立つかを明らかにしたい。 剛体の回転運動方程式への道①:速度の外積表示 - 理系大学生のブログ(この…

質点系の角運動量・モーメントに関する定理まとめ

質点系の角運動量とモーメントに関する定理は数が多いので、ここで整理したい。 定理1 質点系の角運動量は、重心の角運動量と重心に対する質点系の相対的な運動の角運動量の和に等しい。 を質点系の角運動量、を重心の角運動量、を重心に対する質点系の相対…

一様に働く慣性力が剛体の重心にかかると見なしてよいことの証明

静止座標系に対して等加速度で移動する並進座標系から見たときに、剛体に働く慣性力を考える。 剛体全体に空間的に一様な加速度によって働く慣性力を一つの力と見なせたとすると、その力はどのようなベクトルだろうか。その作用点はどこだろうか 。 まず、あ…

はてなブログでの数式を含んだ記事の書き方

はてなブログでLaTeXが使えると聞いて、始めてみたものの最初はなかなかうまくいかなかった。調べても解決法をすぐには見つけられなかったが、ようやくうまくいく方法を見つけたのでメモしておく。 僕がした失敗 まず、僕が書きたかったものをここに示してお…

このブログの方針

ウェブ上に公開されたブログを始めた。インターネット上での意見発信行為はこれがほぼ初めてなのでややどきどきしている。 このブログでは、授業で学んだり本で得たりした知識を書いていくつもりである。あんまり更新はしないと思う。 個人情報流出には気を…